資産運用を始めたばかりの初心者、もしくはこれまで経験がまったくない人にとって、「誰に相談するか」は極めて重要な問題です。
相談する相手によって選択肢は大きく変わるでしょうし、実際の運用方針にも影響を与えるからです。
では、資産運用のことは誰に相談するのがよいのでしょうか。
相談を受け付けている主な窓口を紹介し、事前準備や相談時のチェックポイントなどについて解説します。
また、資産運用初心者におすすめのNISAについても詳しく解説します。
- 資産運用の相談ができる窓口は6つあり無料相談も可能
- 相談する前に相談したいことや目的を明確にしておくことが大切
- 良い相談先は特定の商品と紐づいてない
目次
資産運用の相談ができる窓口6つ
「資産運用の相談窓口」というと、銀行などの金融機関を想像する方が多いでしょう。
しかし、実際にはそれ以外にもさまざまな窓口があります。
そこで、資産運用の初心者におすすめの相談窓口を6つ紹介します。
1.銀行・信用金庫|多くの金融機関は無料で相談を受け付け
多くの人が資産運用の相談窓口として思い浮かべるのは、銀行や信用金庫などの金融機関でしょう。
店舗に行くと資産運用の無料相談ができる窓口が目に入りますし、多くの金融機関は無料で相談を受け付けています。
個人の資産運用であれば、メガバンクよりも地方銀行や信用金庫など地域の金融機関のほうが、親身に相談に乗ってくれるでしょう。
2.保険会社|人生のリスク管理を踏まえた相談内容が主体
生命保険に加入している人であれば、営業マンや外交員に相談できます。
また、ショッピングセンターやオフィス街などにある保険の相談窓口では、保険の比較を中心にお金の相談ができます。
ただし、保険は金融商品の一種ですが、資産運用を目的とする商品ではありません。
よって、あくまでも人生のリスク管理を踏まえた相談内容が主体になります。
3.証券会社|相談だけでなく実際の資産運用でも深い関わりを持つ
証券会社も資産運用の窓口です。
投資信託やETFなどの金融商品を購入する際は証券会社を利用することになるため、相談だけでなく実際の資産運用でも深い関わりを持つでしょう。
店舗に窓口を設けている証券会社がある一方で、ネット証券といって主にインターネット上でサービスを提供している証券会社の多くはオンラインの相談窓口を設けています。
なかには無料のオンラインセミナーを開催しているところもあります。
4.IFA|独立した立場で資産運用やお金の相談を受け付けている専門家
IFAは「Independent Financial Advisor」の略で、独立系ファイナンシャルアドバイザーのことです。
特定の金融機関などに所属せず、独立した立場で資産運用やお金の相談を受け付けている専門家です。
開業しているIFAは独立した立場で資産運用の相談を受け付けているので、偏らない意見を聞けるというメリットがあります。
開業しているIFAは人事異動がないため、信頼できるIFAと出会うことができれば長い付き合いになるでしょう。
ただしIFAも人間なので、相性や当たり外れは少なからずあります。
5.FP|総合的な資産設計をサポートしてくれる
将来に向けた資産運用を始める際には、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談してもいいでしょう。
FPは、お金の専門家として、資産運用だけでなく、保険、税金、住宅ローン、相続など、幅広い金融知識を持っています。
FPは、相談者の年齢、収入、家族構成、将来の目標などを詳しく聞き取り、個々の状況に合わせた具体的な資産運用プランを提案してくれます。
たとえば、老後の生活資金、子どもの教育費、住宅取得など、ライフプランに合わせた資金計画を立てることができます。
FPへの相談は、銀行や証券会社の窓口、独立系FP事務所などで可能です。
初回相談は無料のところも多く、気軽に利用できます。なお、FPにはそれぞれ得意分野があります。
FPを選ぶ際は、事前に経験年数や得意分野などを確認することをおすすめします。
6.オンライン相談|店舗型の相談窓口が近くにない人向け
インターネットの普及により、オンライン相談を受け付けるサービスが増えました。
先ほどネット証券のオンライン相談窓口を紹介しましたが、それ以外にもオンラインでの資産運用相談窓口を専門的に運営しているサービスがあります。
自宅に居ながら相談ができるため、地方に住んでいて近くに店舗型の相談窓口がない人でも、不利になることなくサービスを受けられます。
資産運用を相談する際の事前準備
資産運用の相談では、自分の資産状況も含めて個人情報を明かす必要があります。
それに抵抗がある方はいるでしょうし、相手がプロであるだけに「うまく言いくるめられて投資させられるのでは」との疑念を持つ方もいるでしょう。
そこで、資産運用の相談をする前にやっておくべき事前準備について解説します。
準備をしておくことで資産運用の相談に対する不安を払拭できますし、相談の時間がより有意義なものになります。
1.相談したいこと、目的を明確にしておく
せっかくの機会を有効に活用するためにも、相談したいことや資産運用の目的などを明確にしておくことをおすすめします。
そのほうが相談の論点を絞り込みやすく、より良い回答を得られるでしょう。
事前に聞きたいことやわからないことをメモに書いて、持って行くとよいでしょう。
2.自分なりに勉強しておく
「何も知らないので専門家に教えてもらう」というスタンスでも構いませんが、まったく何も知らない状態で相談に行ったとしても、有意義な時間にはならないでしょう。
自分なりに勉強してみて、そのうえでわからないことを相談することをおすすめします。
また、何も知らない状態で相談に行くと「うまく言いくるめられるのでは」という疑念を払拭しにくくなります。
「投資とは?」といったレベルの知識は事前に勉強したうえで相談に臨むと、相談の時間が実り多いものになるでしょう。
もちろん、人によっては「何がわからないのかもわからない」ということもあるでしょう。
その場合は率直にそのことを伝えて、話に耳を傾ければ問題ありません。
3.可能な限り自分の状況を洗い出しておく
資産運用の相談なので、相談時にはお金周りの情報が必要です。
自分の年収や今後の収入の見通し、家族の状況、今後考えられるライフイベントや資金ニーズなど、情報が多ければ多いほど相談の内容がより具体的になります。
4.複数の相談先を見つけておく
資産運用の相談窓口は、たくさんあります。
1つに絞り込む必要はなく、複数の相談窓口を利用しても問題ありません。
多様な意見から総合的に判断をするためにも、むしろ複数の相談先を見つけておくことをおすすめします。
医療機関にセカンドオピニオンがあるように、資産運用の相談にもセカンドオピニオンがあってもよいと思います。
特に資産運用の相談は得意分野が相手によって異なるため、可能であれば得意分野が異なる相談相手を探して、横断的に話を聞くとよいでしょう。
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良い相談先の見分け方|5つのチェックポイント
実際に資産運用の相談をして専門家から提案を受けたとしても、初心者はそれが正しいのか、相談内容が適切だったのかを判断できないかもしれません。
そこで、相談時のチェックポイントを5つ紹介します。
相談時にこの5つを意識すると、資産運用の方向性や投資商品などを検討しやすくなるはずです。
1.特定の金融商品と紐づいていないか
金融機関や投資会社などが行っている資産運用相談や無料セミナーなどは、その会社が売りたい商品に紐づいているケースがほとんどです。
たとえば、不動産投資会社に相談したらマンション投資をすすめられる、銀行に相談したらその銀行が積極的に販売している投資信託をすすめられる、といった具合です。
そのような相談窓口を利用する場合は、特定の金融商品と紐づいていることを念頭に置いて相談に臨んでください。
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2.自分のニーズに寄り添っているか
資産運用の目的は資産を増やすことですが、その目的や規模、方法は千差万別です。
同じ条件の人であっても好みの違いがあるので、資産運用の相談で得られた提案が自分のニーズに合致しているかどうかはわかりません。
こちらの相談内容に合わせて柔軟に提案をしてくれるのが理想ですが、一方的に提案さるようでは「相談」とは呼べず、満足度も低いでしょう。
3.自身にも投資経験があるか
相談を受け付けている担当者自身が投資を経験していること、もしくは現役の投資家であることは、とても重要です。
「そんなことは当然だ」と思うかもしれませんが、投資経験がない人が資産運用の相談窓口担当者になっていることもあります。
実際に資産運用を始めると、知識だけで知っていた世界とはまるで違うことがわかるでしょう。
このことを踏まえて、「資産運用相談の担当者自身も資産運用や投資を経験しているのか」を重要なチェック項目として挙げました。
このことは対面の相談だけでなく、ネット記事などで情報を収集する際も同様です。
投資経験者の記事であるかどうかを確認したうえで読むと、より実践的な知識を得られます。
4.選択肢の幅が広いか
資産運用の種類はとても多いため、相談者のニーズに合った選択肢を見つけやすいことはメリットといえます。
そこで重要になるのが、相談を受け付けている担当者の「引き出し」の数です。
担当者が資産運用について幅広い知識を持っていれば、豊富な選択肢の中から最適な提案を受けられるでしょう。
逆に知識が乏しい担当者だと、どうしてもその担当者が知っている選択肢からの提案になってしまいます。
これは担当者の力量に直結する部分なので、広い視野に立って幅広い選択肢を提示してくれるかどうかを精査しましょう。
5.長期的なサポートが期待できるか
資産運用は長期目線で取り組むものです。
最初に相談をしたときと、5年経過時と、10年経過時とでは相談者を取り巻く状況が変わってくるものです。
また、それに合わせて資産運用の環境も変わっている可能性が高いでしょう。
このように時間が経過すると状況は変わるという前提のもと、資産運用の相談は継続的にできるのが理想です。
実際に運用を始めてからもサポートを受けたいと思うのであれば、なおさら長く付き合えるかどうかをチェックすることをおすすめします。
NISAは資産運用初心者におすすめ
ここまで読み、「資産運用は何から始めたらいいのだろう」と思われた方もいることでしょう。
もちろん先に紹介した相談先に相談してもいいのですが、本記事では資産運用初心者にはNISAをおすすめします。
NISAとは「少額投資非課税制度」の略称で、株式や投資信託などの運用で得た利益が非課税になる制度です。
2024年から新NISA制度が始まり、より使いやすくなりました。
非課税投資枠が年間最大360万円まであり、非課税期間は無制限です。
投資方法は、つみたて投資枠と成長投資枠の2つから選択できます。
つみたてコースは月々の定額投資に適した低コストの投資信託で、投資初心者に向いています。
一方、成長コースは株式、ETF、投資信託など幅広い商品に投資することができます。
18歳以上の日本在住者なら誰でも口座開設が可能で、銀行や証券会社で簡単に手続きができます。
NISAは、老後の資産形成や将来の経済的な備えとして、投資初心者でも始めやすい制度となっています。
特につみたて投資枠、少額から長期投資を始められる点が特徴的です。
資産運用初心者にNISAがおすすめな理由
それでは、具体的になぜ投資初心者にNISAがおすすめなのかを見ていきましょう。
主な理由は以下の5つです。
1.得た利益は非課税
NISAで得た利益は全て非課税です。
つまり、投資で得た利益に税金がかからないため、運用益を最大限に享受できます。
これは、投資初心者にとって大きなメリットといえるでしょう。
通常、株式投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISAならその税金を払う必要がないため、資産形成を効率的に進めることができます。
2.少額から始められる
NISAは、少額から始めることができるのも魅力の一つです。
100円からでも投資を始めることができ、無理のない範囲で資産形成をスタートできます。
投資はまとまったお金が必要と思われがちですが、NISAなら少額からでも始められるため、初心者の方でも気軽に投資を体験できます。
3.商品選択の幅が広い
NISAでは、投資信託や個別株など、さまざまな金融商品の中から自分に合った商品を選ぶことができます。
投資初心者の方には、リスクが低く安定した運用が期待できる投資信託がおすすめです。
また、成長性の高い個別株に投資したいという方にとっても、NISAは魅力的な選択肢といえるでしょう。
4.初心者向けのサポートが充実している
多くの証券会社では、NISAの口座開設や運用に関するサポートが充実しています。
投資の基礎知識や商品の選び方など、初心者の方でも安心して投資を始められるようなサポート体制が整っています。
また、オンラインで手軽に情報収集できるツールや、投資シミュレーションなども利用できます。
5.長期投資に最適である
NISAは、長期的な資産形成に最適な制度です。
複利効果によって、長期的に安定したリターンを得ることが期待できます。
投資は短期的な視点ではなく、長期的な視点で取り組むことが重要です。
NISAのつみたて投資枠を利用することで、長期的な資産形成を計画的に進めることができます。
これらの理由から、NISAは投資初心者の方にとって、非常に魅力的な制度といえるでしょう
資産運用初心者には投資信託がおすすめ
NISAを利用するにしても「何を購入したらいいのかわからない」という方も多いことでしょう。
投資初心者には、投資信託を購入することをおすすめします。
投資信託とは、多くの投資家から集めた資金をひとつの大きな資金としてまとめ、専門家が株式や債券などに分散投資して運用する金融商品です。
さまざまな金融商品が1つのパッケージになっているとイメージするとよいでしょう。
投資信託は少額から始められ、ファンドマネージャーと呼ばれるプロの運用者が投資先を選定・運用するため、投資初心者でも始めやすいのが特徴です。
投資先は世界中の株式、債券、不動産などさまざまで、複数の資産に分散投資することでリスクを抑えることができます。
1つの投資信託を購入するだけで十分なリスク分散になっており、プロが運用することから手間がかからずで、まさに初心者向けといえます。
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資産運用の相談先に関するよくある質問
ここでは資産運用の相談先に関することで、よくある質問を紹介します。
Q.相談する前に準備することはありますか?
相談時間を有効に使うために、事前に以下の点を意識しておくようにしましょう。
1.相談したいこと、目的を明確にしておく
2.自分なりに勉強しておく
3.可能な限り自分の状況を洗い出しておく
4.複数の相談先を見つけておく
自分の中で、相談したいことが明確でないと、相手も答えようがありません。
そして最低限の知識がないと、相談相手が話している言葉を理解できない可能性があります。
相談前に本を読む、動画を見るなどの勉強をしておきましょう。
また、相談をスムーズにするためにも、自分の現在の状況を箇条書きで洗い出しておくことも大切です。
そして、複数の相談先を見つけて相談し、相性のところとお付き合いをするといいでしょう。
Q.無料で資産運用を相談することは可能ですか?
実店舗を持つ銀行や信用金庫、証券会社ならば、店舗に出向くことで無料で相談することが可能です。
またIFAやFPでも初回無料相談を受け付けている場合があります。
Q.地方に住んでいますが相談は可能ですか?
近くに相談できる金融機関がない、相談できる専門家がいないといった場合には、オンライン相談がおすすめです。
金融機関では、オンライン相談を受け付けているところがあります。
「金融機関名 オンライン相談」でネット検索をすると出てくるので検索してみてください。
また、IFAやFPの中には、オンラインで相談を受け付けている方もいるので探してみるといいでしょう。
まとめ
「これから資産運用を始めてみたい」という方に向けて、資産運用の主な相談先や相談時に知っておくべきことを紹介し、解説しました。
大切なお金に関する相談だけに、必要以上に身構えたり、疑心暗鬼になったりする人もいるでしょう。
それだけに、適切な相談窓口を選んで相談の時間を有意義なものにすることは重要です。
まずは、おすすめした相談窓口にアクセスしてみてはいかがでしょうか。
ただし、1つの窓口に絞り込むと偏った提案をうけるおそれがあるので、複数の相談窓口から多様な意見を聞き、それをもとに最終的な判断は自分でするようにしましょう。
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